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コラム 111 | 蜂須賀桜 |
コラム 112 | 芽吹き |
コラム 113 | 夢・無人IT農業 |
コラム 114 | ガラガラポン |
コラム 115 | つれづれ川柳 |
コラム 116 | 木苺 |
コラム 117 | 自然の神秘 |
コラム 118 | つれづれ川柳2 |
コラム 119 | つれづれ川柳3 |
コラム 120 |
里主コラム 1~10 | 51~60 | 101~110 | 141~150 | 191~200 |
里主コラム 11~20 | 61~70 | 111~120 | 151~160 | 200~211 |
里主コラム 21~30 | 71~80 | 121~120 | 161~170 | |
里主コラム 31~40 | 81~90 | 121~130 | 171~180 | |
里主コラム 41~50 | 91~100 | 131~140 | 181~190 |
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蜂須賀桜
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3月に入ると徳島城跡の城山に植えられている「蜂須賀桜」が満開を迎えます。
2月下旬には咲き始めて今は5分咲きといったところです。
カンヒザクラとヤマザクラの一代交配品種で江戸時代より毎年一足早い春を届けてくれます。ソメイヨシノよりも桜色が赤くやや丸みを帯びたしっかりした花型です。
開花期間が長く、徳島県民は「蜂須賀桜」が咲くのを心待ちにして春の訪れを待ちます。
未だ肌寒いこの時期にも関わらず、ちらほら咲きの桜の下で宴を交わす家族連れや会社のグループで賑やかです。
メジロが枝から枝に飛び交い、宴の歓喜に混じって「ピー」「ピー」と鳴きながら忙しく花蜜を探しています。 -
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弊里はこの頃から本格的な農作業の準備が始まりです。
圃場をトラクターで曳き均し、畦岸の整備、地下水を汲み上げるポンプの整備などなど、そして苗代の準備です。
早生品種から中手、晩稲品種まで今年の作付面積の検討と、それに合わせた種籾の確認や圃場の割り振り、今年の気候予測(感覚)に合わせて籾蒔き時期を見計らいます。
滞りない準備をして、自然が味方してくれることを願って田の神様に祈り捧げます。
今年も稲作が出来る喜びと、木々が芽吹き、草木が緑鮮やかになって躍動感に満ち溢れ、ワクワク感でいっぱいで、この時節を迎えられることに感謝しています。
「蜂須賀桜」に続く「ソメイヨシノ」そして「ヤマザクラ」から「八重桜」と季節は移ろい、私は歳を重ねます。
どうか今年も平穏無事で、願わくば豊作であることを。
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芽吹き
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木の芽時を迎えて、木々の芽が膨らみ一斉に湧き出るさまは将に春です。
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私は趣味でバラを植えていますが、今年の1月に挿し木した40種類のバラが元気よく芽を吹き始めました。約150本を挿し木してその殆ど発芽しました。
4月には小鉢に移植して5月には花壇に植える予定です。
今年の春は花壇も一層華やいで、年に3回咲かせて色香を楽しむ予定で今から心待ちにしています。
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薔薇の種類は大変多くて世界中には5万種もあるそうで、種の品種は10種類位だそうです。その中に日本の原種が3種類あります。日本を代表するバラは「ノイバラ」、バラの接ぎ木の台木として使っていますが、春に白い花や淡い紅色の小花をつけて香りがとってもいいのですが、野道を歩いていると藪から這い出た枝の小さな「刺」に刺されてよく痛い目にあいます。秋には真っ赤な実をつけ、これが利尿作用やニキビに効果があると言われています。
「ハマナス」も実はバラ科の植物で、海岸の砂浜に春から夏にかけて赤い花をつけて咲き、初秋には赤い実を付けて、これにはビタミンCが多く含まれる所から、お茶やのど飴に加工して利用されています。 -
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バラの香り文化は古く、あの有名なクレオパトラは体臭を消すためにバラの香りを徴用した最初の人と言われています。イギリスのエリザベス1世は別名「薔薇の女王」と呼ばれ、また、殊の外バラの香りを愛したフランスのルイ14世はベルサイユ宮殿にバラ園と専門スタッフ、調香師を置いて育て上げました。歴史に名高い薔薇戦争は中世のイングランドで起きた内乱ですが、ヨーク家の白いバラとランカスター家の赤いバラの紋章を付けて戦ったことからその名前が付けられています。
バラの香りは人生を豊かにする一つのパーツで、楽しいものですね。
中世のヨーロッパの王侯貴族はお風呂に入る習慣がなかったので、香水、特にバラの香りを好まれ、競って香りの良いバラの品種改良に取り組み、香水文化の礎となって現在の我々に素晴らしい香りを提供してくれています。
日本人の香水は柑橘系を好みますが、西洋人はバラ系が大好きなようです。
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夢・無人IT農業
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宇宙産業が飛躍的に進み、私共の農業分野でも十年以内に概ね無人化の目処がたちました。
国は今後十年で人工衛星を40基超打ち上げる宇宙基本計画を策定、日本上空に長時間留まる順天頂衛生を2023年度までに現在の1基から7基に増やすことを決定しました。
これによって誤差5cm以内の位置情報が把握でき、農業にも無人化の道が開けてオートメ化が飛躍的に進み、工業製品と同じようなシステムの構築が可能になる日が近づきました。 -
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昔、お米は八十八回の手間を掛けて施水、耕作、施肥、籾蒔き、田植、草取り、稲刈り、籾摺り、乾燥、精米、袋詰、と全て手作業で行い重労働の連続でした。
現在は機械化が進み、水はポンプアップ、耕作はトラクター、籾蒔きも機械化、草取りは除草機、稲刈りはコンバイン、乾燥・籾摺りも乾燥機・籾摺機、精米も精米機、袋詰は色彩選別機を通って機械化がされています。 重労働は軽減されましたが、いずれも人が操作するので手間とコストは依然としてかかり、生産性は思ったほど上がりません。
これから始まろうとしている無人化は、最新のGPS位置システム装置によって田仕事が全て自動化される夢の時代が訪れようとしています。パソコン操作で自動的に籾蒔きから耕作、田植、草取り、稲刈りまで完全無人化、乾燥・ 籾摺りから精米袋詰まで全自動になり、IT技術の進歩によりカンと経験だけに頼った栽培から効率のよい米生産へ新次元の世界に移行します。
生産地の情報は消費者の皆様にリアルタイムにお届けして、お客様からのご要望に答える環境がますます整ってまいりました。
今後、私共はIT農業を活かして、「お一人お一人様」の好みにあった究極のお米のご提供に向けて、今後一層の研究開発に取り組みます。
その意味からも、今年は糖尿病患者様、又予備軍の皆様方用の「高アミロース米」の生産販売を開始します。
「おいしく健康」を追求する新・一歩となる未来に思いを馳せながら努力精進する次第です。
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ガラガラポン
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春宵一刻値千金、今将に春です。
桜前線は日に日に北上して各地は桜見物で賑わっています。 -
さて、去る4月3日BSフジのプライムニュース「60年ぶりの農協大改革・農業の岩盤は崩れるか」が放送され、拝聴させて頂きました。
前半、JA全中ご出身の山田参議院議員とのやりとりでは、例によって山田氏がJA全中の庇護に終始して、農家のことは眼中無き発言に憤懣やるかたない思いをしました。
後半は林農林水産大臣が毎年8万トン米の消費が減少しており、輸出強化、日本ブランド強化を上げておられ、大多数の国では長粒米を食べており、日本の米は短粒米なので日本の食文化を流布していく必要があると述べられました。
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キャノングローバル戦略研究所・研究主任の山下一仁氏は今回のJA改革はJA全農を株式会社化しなかったのが大問題で独禁法の適用除外がそのまま残り、本丸のJA全中に主眼を置いて、名を取って実を残した改革になっていると指摘されました。また、サンキストを例にあげて、積極的な専業農家が集まって地域農業協同組合を立ち上げることが極めて重要であると薦めておられました。そして60年ぶりの改革としては概ね「了」ではないか、これからが面白くなって来る。と話されました。
確かに戦後手付かずのJAにメスを入れた安倍総理には敬意を評しますが、農業も一般企業と同じ土俵で切磋琢磨し、経営努力をすべきと考えています。食料安保の観点から考察しなければならない部分もありますが、総じて国力があればどこからでも輸入は可能です。
問題は日本の国土・気候風土にあった適地適作で世界と伍する商品の開発が出来るかどうか、品質管理ときめ細かなサービスを全世界に提供できるかにかかっています。弊地は米が適作な土地柄で畑作物等は不向きです。ですから農業で生きるには米のブランド化と高付加価値商品の開発に取り組まなければ未来はありません。そこで十数年前よりコンセプトを「おいしく健康」として品種改良や加工食品の開発に大学や研究機関の助けを借りながら逸品を目指して努力してきました。おかげを持ちまして新しい商品を次々に排出してお客様に好評を頂いております。しかし未だ未だ緒についたばかりです。
同じ思いを持った米専業農家による地域農業協同組合を立ち上げることができれば尚良しですが、その日が来るのは未だ先の話です。
既存のJAは弱小農家(兼業農家)や非農家が対象で、やる気のある専業農家にとっては問題点が多く弊害になっています。保護政策は規制をかける常套手段です。
ガラガラポンで既存のJAを解体して、やる気のある専業農家が地域農業協同組合を立ち上げて、お客様のニーズにお答えした商品やサービスのご提供に務める努力をすることが21世紀型農業協同組合であり、機が熟す時を待っている所です。
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つれづれ川柳
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野良仕事 思わず声する 五十肩
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二万円 異次元緩和で 妻ニヤリ
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水田の 作り手探す 老夫婦
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定年を 計って届く パンフ束
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白内障 手術の列に 同級生
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無楽
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木苺
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春先に白い五弁の花が咲き今は実りの季節、今年も木苺が藪にプチプチした小さな粒が寄せ集まったオレンジ色の熟した実を沢山付けています。
この時節は田植えの真最中、子供の頃は仕事の手伝いの間合いにヤブに分け入り、熟した実から順番に頂いたものです。甘酸っぱい味が口いっぱいに広がって、子供の空腹を満たしてくれたものです。
今は誰も見向きもしなくなった木苺ですが、グイミともに忘れられない田植え時の自然の味です。
じつは実の取り方にもコツがあって、小さな子どもの手ですから実の真上から指先を全部使って実の根元を包むように摘み、そっと真上に引き抜きます。ふわっとしてぽっこり開いた実の付け根を観て味の善し悪しを伺い、味の予測を楽しんでから口に入れます。予測通りだと甘さが倍増し、外れたものなら酸っぱさが際立って口が歪みます。力を込めて取りようものならツブツブの小さな実の集まりが一瞬にして潰れ手が黄色く染まります。もちろん味が落ち酸味が強くなって台無しです。幼児期から頂いていますから要領には慣れたもの、現代っ子には興味のない食べ物ですから当然にして採取も失敗する取り方になること必定でしようが、忘れ去られた食べ物ですから了としなければなりません。 -
皆様にお届け出来る品質までレベルを高めるには最低10年位の歳月と気の遠くなるような労力を要しますが、喜んで頂ける日を夢見て忙しい田植時を過ごしています。
自然の味って格別ですよ。一度召し上がってみてはいかがでしょうか。 -
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自然の神秘
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前回(105)のコラムで、眉山を吉野川対岸北より南を眺めると人の眉のように綺麗に稜線のシルエットが映し出されて必見ですとご照会を致しましたが、今回は眉山を正面から東より西に向かって新町川縁より眺めると絶景に巡りあうことをお知らせします。
それは4月25日から27日の夕暮れ時PM6:10頃です。
太陽が眉山の山頂に沈む光景で、とても素晴らしい瞬間を目にすることが出来ます。但し、無風快晴が必須条件となりますから、数年に一度あるかないかの奇跡です。
先日の4月26日にその絶好のタイミングが訪れました。
その光景に思わず自然のダイナミズムに感動しました。 -
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私共は自然に寄り添って稲作をしており、太陽や月の運行に左右されます。
長期的視野が開けること請け合いです。
数年に一度、又数十年に一度訪れる宇宙ショーに遭遇する幸せな一瞬が有ります。
皆既日食は太陽が月に隠れてコロナが観られる現象ですが、前回は2009年でした。
次回は2035年9月2日能登半島から北関東にかけて観られます。天候が良いことを願うばかりです。但し20年後になりますから私が観られるかどうかは神のみぞ知るです。
その前の2027年にはリニア中央新幹線が東京―名古屋間を最高時速600㎞の超高速で開通予定です。(先日は最高時速603kmを記録)自然への挑戦ともゆうべき大事業です。限りある人生ですが長寿であれば未知との遭遇が待ち受けています。
複雑社会の只中に有って長生きを望むなら最低限に考慮しなければならない事柄として、規則正しい生活、バランスのとれた食生活、スポーツなど適度な運動、趣味を持ち、ストレス解消法を身につけ、交通事故防止や犯罪に気をつけなければその保証の限りではありません。
その上で、自然の神秘を人生の楽しみに加えられてはいかがでしょうか。 -
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つれづれ川柳2
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大病院 臨時のイスも 悲鳴あげ
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サプリ良し 飲み比べても 医者通い
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静かなり スマホ中毒 電車道
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「あら」種火 昨夜の風呂で 消したはず
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散歩する 妻の後追う 心配性
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ジプシーの 病院仲間と 予定表
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ヤブ医者め 「歳ですからね」と 常套句
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つれづれ川柳3
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花一輪 コンクリ砂漠に 凛と住み
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大規模化 するほどに シワの数
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霞ヶ関 田を耕さず グルメ通
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視察団 表を通り 理解面
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猫の手を 借りたい岸を ウォーキング
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白米を 稲とも知らぬ 今時の人
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コウノトリ 電線柱に 愛の園
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肩腱板断裂
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先日、加齢からくる白内障の手術を受け、経過は良好です。
何分にも農作業は屋外仕事が主になるため、太陽光の紫外線を受けやすく目にダメージを受け傷めてしまいます。
最近は手術もいたって簡単で、5分から10分程度で終わります。
但し、前後の検査や養生にはそれなりの期間が必要で、すべてが終わるのに半年は必要となります。
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それよりも何よりも、もっと厄介な右肩の腱板を部分断裂してしまったことです。
右利きのために右手を酷使しすぎて腱を断絶し、強烈な傷みとともに手が上がらなくなって医者に駆け込みました。診断の結果は右肩の腱を一部断裂して半年以上は通院して毎週ヒアルロン酸を注射する羽目になりました。完治はせず良くても70%程度の回復とのことです。腱が太いのが一本あってそれに沿って小さな腱が有るそうで複雑な手術は年齢的に難しいと言われ、これからは断裂したままで暮らす生活が待っています。当然のことながら重労働の農作業はご法度と言われ、専ら口伝がそれを担うこととなるかも知れません。
加齢とともに体の至る所にガタが来て、その都度メンテナンスを必要とします。
決定的な致命傷にならないようにその都度あしげに病院通いをしなければ、命の保証はありません。高齢化社会の只中にあってどこの病院も満杯で、女性が約8割近くを占めています。男性は一体どうしているのでしょうか?
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今日は眼科の予約日で参りましたが、お隣のおばあさん同士の会話をご紹介しますと、
「お幾つですか?」
「80歳」
「あなた若いわね、私は92歳ですよ」
「主人に先立たれましてね」
「私もです」
「これからどこに」
「ここが終わったら◯◯内科に行って高血圧のお薬を頂きますの」
「私は◯◯整形に、腰と膝が悪いので診察とリハビリに参ります」
「タクシーを呼んであるので楽ですし、金も殆どいりませんわ」
「お気をつけてくださいね」
「貴方様も、でも若いからこれからですよ」
「90歳を超えると耄碌して忘れっぽくていけませんわ」
「薬、頂いたかしら」
「お大事に」
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こんな会話がそこここに聞かれて、サロン紛いの様相です。
そこに紛れ込んだ私は愕然とするばかりです。 -